elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

これからは『年金価格』で飲んで下さい。

 某電気会社の重役が定年退職することになり、ご挨拶にいらしてくれました。

 開店当初からお世話になり続け、足を向けては寝られないほどの恩人です。

「これからは新しいスタートですね。今までお疲れ様でした」
 
 シャンパンを抜いて、他にお客様もいなかったので四人の女性と共に乾杯しました。f:id:ElderlyMom:20200911160645j:plain

 重役は、

「会社を辞めて何がさみしいって、もう銀座に来れなくなることだよ。これからは経費が使えないからな」
 
 ずうっと営業畑にいらしたので、これまでは会社の接待費がふんだんに使えたのです。

「大丈夫ですよ、重役。これからは五千円で結構ですからいつでもいらして下さい」
 
 重役に提案しました。

「本当かい! 五千円でいいのかい? ボトル代も含めてか!」

「もちろんですよ。重役にはお世話になったんですから」

「こりゃありがたい! 五千円なら年金でも来れるわ」
 
 仲間も連れて来れると重役は喜んでくれました。
 
 何しろ銀座が大好きで、銀座以外では飲まないと豪語するほどの方なのです。

 喜ばれて、私の胸もほっこりしました。
 
 鶴だって恩返しするのですから私だってそうせずにはいられません。
 
 何よりもまた重役にお会いしたいですからね!

 当店にはこうした『年金価格』で飲まれているOBのお客様が何人かおられます。