elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

『会員制』はやめました!

 開店当初より『会員制』を貫いて来ましたがここに来てこの看板を外しました。f:id:ElderlyMom:20200919083704j:plain

 不景気でお客が減り、そんなことを言っていられなくなったからです。

 つい先頃、

「新しい店を開拓したい」

 と二人連れが飛び込みで来たのでこれ幸いと入ってもらいました。

 平均したら、月に2組くらいはこうしたフリー客が来ていたのに当たり前のように断っていました。

 今にして思えば、何ともったいないことをしていたのだろうとほぞを噛みたくなります。

 銀座のクラブは大概が『会員制』を謳っていますが、その一番の理由は、見知らぬ客と飲みたくないからです。

 当店も同じでした。
 
 格付けの意図も多少はありましたが。

 この『会員制』を巡って過去に事件(?)がありましたので書き残したいと思います。

 美容室が混んでいていつもより遅い9時過ぎに店に入った時です。

 奥のソファ席に、いかにもといったそれ筋らしき中年男性が4人座っていました。

 全員が白のスーツで、頭は丸刈りでした。
 
 初めての面々ですが、中には片目がつぶれている男もいて、目が合った時はぞわっとしました。

 固まっていると、

「ママさんかい? 今日は世話になるよ。シャンパンでも抜いてくれるかい?」
 
 中央で足を組んだ、親分風情の男に話しかけられました。

アウトレイジ』そのもので心臓がバクバクしましたが、女性たちも怯えていたので、

「申し訳ございませんが、当店は会員のお客様だけでやらせていただいております。お引き取り願えませんでしょうか?」
 
 勇気を振り絞って彼らの前に上体を折りました。

 若干の沈黙はあったものの、

「そうか、それは申し訳なかった」
 
 真ん中の親分風情が立ち上がってくれて、それはもうあっけないほど全員がおとなしく帰ってくれました。

 この時ほど『会員制』にしておいて良かったと思ったことはありません。

 ところがです。
 
 オチがありました。

 翌日、角の薬局に行くと店主が寄って来て、

「昨日、坊さんたち行ったかい? いい店ないかって訊かれたからママのとこ紹介したんだけど。彼ら、京都の有名な坊さんたちらしいよ」

 何と、紙一重な…。

 開いた口がふさがらないとはこのことでした。

 余談ですが、それ筋の方々はこと銀座がお好きなようです。
 
 よく見かけます。