elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

『サラリーマンなるもの』

 昨日、商社にお勤めのお客様が閉店ギリギリに入って来られました。

 だいぶ飲まれていて、

「俺、会社辞めることにした!」
 
 席に座るなり、両手を上げて万才されました。
 
 話を伺うと、三年間のシンガポール駐在を終えて日本に戻ったものの、今度はミャンマーへ行けと命ぜられたそうなのです。

「ひどいだろう? カミさんに泣かれちゃったよ」
 
 シンガポールに赴任される前は確かベトナムに行ってた筈です。

「俺を嫌ってる上司がいてさ、やつが現役の間は俺を絶対日本に戻さないって言ってるんだってさ。それを聞いたら踏ん切りがついてさ」

 仕事をやめたら子供のそばにいられるし、購入してまもないマンションにも住めると彼は泣き笑いの顔を見せていました。

 当店のお客様の9割はサラリーマンです。

 長い年月、彼らを見て来てしみじみ思うことの一つに、サラリーマンは上司に嫌われたらおしまいだというのがあります。

 サラリーマンに取っての「人間関係」とは「上司との折り合い」のような気がします。

 裏付ける話を幾つか知っていますが、とりわけ心が痛んだのは、真冬の厳寒地に飛ばされた証券マンの話です。

 にわかに作られた事務所の社員は彼のみで、そこでの彼の仕事は来る日も来る日も商店街の雪かきだf:id:ElderlyMom:20191128100611j:plainったそうです。

 地域住民との友好を図るためとは態のいい口実で、要はいじめだったわけです。

 いい大学に入るために切磋琢磨して、一流企業に入社出来たと思いきや、こうした人生が待ち受けていたなど誰が想像出来たでしょう。

 現代のサラリーマンは、上司のさじ加減一つでどのようにもされてしまう弱い存在です。
 
 決して昔の歌にあったような気楽な稼業ではありません。

 いつでしたかテレビで坂上忍さんが、

「一番尊敬するのはサラリーマン。その人たちのおかげで食えている」
 
 と話されていました。

 まったくもって同感です。
 
 日本の労働人口の82%はサラリーマンだそうです。
 
 彼らが日本を支えていると言っても過言ではありません。

 そうした彼らが当店に足を運んでくれた時は、楽しませたり喜ばせたりは出来ないまでもせめて、イヤな思いだけは決してさせないよう固く固く自身に言い聞かせております。

 イヤな思いやツラい思いは会社でして来ている筈ですから。