elderlyママのぼやき

銀座の高齢なママです。夜な夜な話を書いています。

『ママとパトロン』

f:id:ElderlyMom:20191225195259j:plain あと2日で今年の営業もおしまいという昨日、実にいけ好かない客に来店されてしまいました。

 フリーで入って来た60がらみの中年ですが、ネチネチと粘着質で、少し前に『会員制』の看板を外したのを思いきり後悔してしまいました。
 
 この客、地方で手広く不動産業を営んでいるそうですが、入るなり、
「はあ、これはいい店だ。内装に金がかかっている」
 と、ほめてくれた迄は良かったのですが、飲み始めると、

「ママさんのパトロンは、船が好きなんですな?」
 と、突拍子もないことを言い出して絡んできました。

「えっ? 私、そういう人はいないんですけども」
 作り笑顔で対応すると、

「またまたあ。おとぼけですな。まさかママさんお一人でこんな立派な店を始めたわけじゃないでしょう?」

 口調こそ柔らかいものの、ニヤつきながらで、慇懃無礼とはこうした男のことを言うのでしょう。
 
 当店は、船室を模した造りになっているのですが、壁やソファ、絨毯に至るまでマホガニーと呼ばれるえんじ色で統一しているので、高級に映るらしいのです。

 しかしながらこの店は私がお金をかけて造ったわけではなく居抜きで探した、いわば中古物件です。
 
 しかもオーナーが早くやめたいからと格安で譲ってくれたのです。

 そんないきさつを知る由もないこの不動産屋は酒癖も悪いようでネチネチがいや増すと、

「私も一度くらいはパトロンをやってみたいもんだ」
 とか、
「君たちみたいな若い子にパパと呼ばれてみたいよ」
 などとほざきながらハウスボトルを飲んでは、女性たちにdrinkの一杯もくれないケチっぷりでした。
 
 そもそもこの客に限らず、銀座のママにパトロンがいると思い込んでいる輩は男女問わず多いようです。

 私自身うざいほど言われ続けて来ました。

 松本清張の『黒革の手帳』あたりが影響していると思われますが、パトロンがいないと女は店を持てないとでも思われているのでしょうか?

 例えばですが、銀座で10坪ほどのスナックを開きたいなら、家賃の相場は25万円くらいですからその10倍の250万円を保証金として用意出来れば、空き物件次第ですが、店舗を借りられるわけです。

 テナント料のバカ高いビルや新築物件はさておいてですが。

 下手したらマンションの頭金より安いわけで、高級クラブで稼いでいるホステスだったらお茶の子さいさい、OLだってママになれるのです。

 パトロンが介入しなければならない理由などどこにもありません。

 無論、パトロン持ちがいないとは否定しませんが、いたとしても一握りな筈です。

 ついつい力説してしまいましたが、不愉快極まりないこの不動産屋のせいです。