elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

女の客引き。

 店の前に立っていると、

「今日もダメだわねぇ。歩いてるのは中国人ばかりで…」 

 ぶつくさ言いながらど派手な着物を着た、中年以上老人未満の女性が寄って来ました。

 彼女は名前を清乃と言って客引きをしています。

 ホステス時代からの友人です。

 彼女は頑張って店を持つこともなく、ホステス一筋で来た女性ですが、雇ってくれる店がなくなるとなんの迷いもなく客引きに転じました。

 彼女の話によると女の客引きは7丁目から8丁目にかけて4人いるそうです。

 客に安心感を持たれるのか、男の客引きより稼ぎがいいそうです。
 
 それでも私の目から見ると、客引きの仕事は大変そうです。

 いつも稼げるわけではないだろうし、うまくいかない日は寒かろうが雨だろうが、路上を行ったり来たりして客を探し続けています。f:id:ElderlyMom:20200921101354j:plain

 それもネオンの灯る7時頃から客の引ける深夜までです。 

 本人は、

「ホステスやってるよりよほどいいわよ。実入りもいいし何より気楽だからね」

 性に合っていると笑いますがたいしたものです。

 この前、

「もし私が私服のオトリに連行されたら、身元引き受け人になってよね」
 
 珍しく殊勝な面持ちで頼まれました。

 少し前、警察主催の『客引き撲滅キャンペーン』が並木通りで行われ、その日に何人かの客引きが捕まっているので気弱になっているのです。

「もちろんよ。迎えに行くわよ」

 二つ返事で引き受けました。

 経営者として参加している警察の講習会では、

「従業員には絶対客引きをさせないように。客引きを見つけたら通報するように」

 厳しく言い渡されています。

 が何のそのです。

 彼女には暇な時、お客を紹介してもらって何度も助けられているし、その前に大事な友人です。

 共に銀座を生き抜いて来た戦友です。

 助けないわけがないじゃないですか?