elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

誰のために何のために。

f:id:ElderlyMom:20200130102210j:plain ブログは母親のために書いています。

 お店は1985年(昭和61年)の3月3日にオープンしたのですが、その時母は店を見に来ませんでした。

 同居していながら何かとぶつかり、距離もあった時期なので来づらかったのだと思います。

 私も積極的には誘いませんでした。

 後になって母は、

「一度は見ておかないとね」
 
 と言っていたのですが、地方に引っ越したり、タイミングが合わなかったりで34年が経った今でも店を見に来ていません。

 最近になって、銀座を特集したテレビ番組を好んで見ていることに気づきました。

 散歩番組やグルメ番組など食い入るように見ています。

 そして名前を知っている店が映ると、

「ここ、ずうっと前にトンカツサンドを買って来てくれた店じゃない? お肉が柔らかくておいしかったわね」
 
 などとなつかしんでいます。

 私は、親不孝をしていたのではないだろうか…!
 
 ふっとそんな思いが胸をかすめたのは去年の秋でした。

 お店がオープンした当初母は店を見に来ないながらも、

「お客さんは入ってるの?」

「女の子たちは居着いてるの?」

 気になるようでたびたび訊いて来ました。


「まあまあね」

「それなりにね」
 
 面倒くさがっておざなりにしか答えないものですから、その内には母は何も訊いて来なくなりました。

 本当は店の状況を知りたくてしょうがなかったのだと思います。

 これからでも母に店を見せてあげたい。

 そう思ったものの、この1月で93歳を迎えた母をエレベーターのない地下の店に連れて行くのはもはや無理になりました。

 しかしながら、話や写真を見せるならいくらでも出来ます。

 今さらながらですが、娘の働いている銀座や店の話をたくさん教えてあげたくなりました。

 どんなお客さんが来るのか?

 どんな女性たちが働いているのか?

 週末だけしか会えないので、こうしたことを録音して聞かせたいと考えたのですが、耳が遠く補聴器をつけるのを嫌がりました。

 それなら、

 ご長寿作家の瀬戸内寂聴さんや佐藤愛子さんの本を、老眼鏡にハズキルーペを重ねて読んでいる母に打ってつけなのは書いたものを読んでもらうことでした。

 ブログを始めようと思い立ったいきさつです。
 
 初めてで、うまく書けるか心配でしたが、ともかく母が読みやすいことだけを心がけて、事細かに綴りたいと思っています。

 書きためたら、推敲して冊子にまとめます。

 そしてプレゼントします。

 万が一にも間に合わなかったら、何度も再生をせがまれた店の動画と一緒に棺に入れます。

 その時は天国で、大好きだった祖父母や叔母さんたちと読んでくれたらとてもとても嬉しいです。