elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年3月27日に閉店しました。以降、農作業と母親の介護に励みながら銀座の思い出と日常をつづっています。

おもいで酒

 日本酒が大好きです。f:id:ElderlyMom:20200911161435j:plain

 何かとこじつけて毎日飲んでいます。

 ありがたいことに肝臓も中性脂肪も正常値なので、水商売は天職と調子をこいているわけです。

 日本酒を飲むようになったのは20代の後半からで、当時同じ店で働いていたとき子ちゃんという女性の影響です。

 このとき子ちゃん、深く印象に残っているので書き残したいと思います。

 女優のいしだあゆみさんに似て細身の美人なのですが、残念なことに酒癖が悪く、酔うと身の上話を始めるのでお客様にも同僚にも煙たがられていました。

 いつだったかの12月、店長に、

「とき子がベロ酔いしてるから送ってやってくれ」
 と、頼まれました。

 正直、その頃は親しくもなかったのでイヤでしたが同じ方向だったので断れず同じタクシーに乗って帰りました。

 20分ほど走って彼女のアパートに着いたので、降ろそうとした時、申し合わせたように空から雪が落ちて来ました。

 初雪だったと思います。

 とき子ちゃんは、

「うわあ、雪だ!」
 
 さっきまでの酔いはどこへ、空に両手を広げて子供のようにはしゃぎ回りました。

 雪国の出身でしたから雪が嬉しかったのでしょうか。

 周囲の街灯が白いコートの彼女を明るく照らして、一枚の絵のように美しかったのを覚えています。

 運転手さんも見とれていたのか、メーターを倒したまま発進を忘れていました。

 その日をきっかけに飲み友達になったのですが、水商売のあるあるで、ある日突然店をやめてしまいました。

 最近は、新型コロナウイルスの影響で仲間のママたちもストレスがひどいようです。


「飲もうよ!」

「発散しようよ!」
 
 毎日のようにお声がかかります。

 誘いに乗れば、電車で帰れるところタクシー代が発生するし、飲み代だってかかります。
 
 女性の出勤を減らしたり、早じまいを強いている昨今、そんなことはできません。

 帰って、日本酒をちびちびやりながら好きな韓流ドラマでも見るのが賢明です。

 以前はほろ酔いになるとあの雪の日のとき子ちゃんや、山形に帰った看護士の志保ちゃんたちをなつかしく思い出していました。

 最近は、

 この先コロナウイルスはどうなるんだろう?

 店は続けていけるのか?

 飲みながそんなことばかりが頭をよぎります。